【Joker（ジョーカー）】観た私が、苦笑いする理由（感想メイン、若干ネタバレ）

 2019.10.4（昨日）より公開された映画「Joker（ジョーカー）」を観てきました。

（昨日、Twitterにアップしたイラスト）

私、バットマンシリーズの大ファンという訳ではありません。なんというか、宣伝用ポスターが気になったのと、話題性に乗ろう！と思ったのが、初日に動いた主な理由です（笑）

この記事では、ネタバレは抑え（といっても、あらすじを書いたら概ねカバーしてしまいそうではありますが）、“にわか”の目に本作がどう映ったのか？を中心に書いていこうと思います。

〜あらすじ〜

バットマンシリーズにおいて、高い人気を誇る敵役「ジョーカー」の誕生秘話。いわゆる闇落ちストーリー。

主人公アーサーは、コメディアンを夢見る「職業ピエロ」。

貧しい暮らし、虐げられる日々のなか、彼は誰よりもよく笑う。

障害による発作によって。

人々を笑顔にしたいと願い、熱心に“笑い”を研究すれども、自分には「みんなの面白い」が分からない。

ネタ帳は“笑えないジョーク”で埋められていく。

そんな彼に、同情からか悪意からか、同僚の一人が一丁のリボルバーを渡す。

「自分を守れ」と。

かろうじて維持せんと願う最低限の日常は、永遠と思えるかのように下へ下へと続いていた…。

〜感想〜

ストーリーの本筋は、はっきりいって浅いです（悪い意味ではないつもり）。想像の範疇を超えるエピソードはありません。

“格差差別、現実と理想のギャップ、精神疾患。これらが混ざり合って「ジョーカー」は誕生しましたよ。”

これだけ。

ただ、不思議と「なんでこの映画がつくられたのか？」は全然、浅くないように思えてくるんです。

「ジョーカー」

“にわか”の私でも、そのキャラクターは知っています。（バットマンシリーズは何本か見ました。スーサイド・スクワッドとか、ごちゃ混ぜスピンオフ作品なんかも）

狂った敵役です。

彼の悪意の“なぜ？”がよく分からない。「なんで、そんなことしてるんだっけ？」という感じで、ライトに“悪”を実行していくイメージがあります。

その狂気こそが、このキャラクターの魅力だと思っていたんですが、映画「Joker（ジョーカー）」を観たことで、全く異なる解釈を突き付けられました。

本作はジョーカーに「免罪符」を与えているんです。

悪意の“なぜ？”が描かれている。

そして、これまでのバットマンシリーズにおける「悪」の定義をも覆しました。

これまでの「悪」は「善」からみた対比語としての「悪」。「悪いことはしちゃいけませんよー、の悪」でした。

それが、ただのチーム名の違いへと変わってしまいました。並列な「A（善）チーム」と「B（悪）チーム」へと。

アーサーは、「自分」と「世間（普通）」を縛る鎖を一本ずつ切り落とし、狂気の「ジョーカー」へと覚醒していきます。

作中、その過程で、自分の部屋を訪れた同僚二人のうち一人をその手にかけるシーンがあるのですが、自分と同様に虐げられてきた「怯えるもう一人」は部屋の外に逃がします。

「行けよ」と。

そう、ジョーカーは“全ての敵”ではないんです！

逃した理由は“最後に残った良心”、とかでは断じてないのでしょう。ただ線を引いただけ。

本作をもって「バットマン vs ジョーカー」はウロボロス化した気がします。

いよいよ終わらんわ（笑）

これが制作側の狙いなのでしょうか？

…

映画館を後にするとき、私はなんとも言えない窮屈さを感じていました。 

「わかるよ、ジョーカー…。でも手放しには賛同できないのよ。俺、やっぱりそっち側じゃないわ」

単純な私は、映画を観るときは「主人公」に感情移入します。でも、そうさせてくれないこの感じ…。

「ほら？あなたは窮屈でしょ？」と製作者さんに言われている気がするぜ…うむむ。

苦しみは常識の中にある。

しばらくは、アーサーの苦しそうな笑顔が忘れられそうもありません。

…

総評としては、「面白かった！」です。

時間があっという間に過ぎました。

3.5/5点満点！（ちょっと辛いかも…）

あーでもひと言、言わせてください。

映画のキャッチコピー「本当の悪は笑顔の中にある」は、それっぽいけど全然あっていませんね（笑）

「その悪は笑顔から生まれた」とかかなぁ（くそう…なんかダサい）

映画館（IMAX@109シネマズ川崎）で「オリジナルポスター」をもらいました！

ラッキー！